平成30年10月 会長先生法話

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    ※10月月1日朔日参り(布薩の日)式典にて大阪教会松本教会長より教団月刊誌「佼成」10月号『会長法話』から今月の信仰生活の指針を頂きます。

     

    会長法話    

    自他ともに心楽しい精進を   

                庭野日鑛 立正佼成会会長

     

    樹 木 が 紅 葉 す る よ う に

     

      紅葉してそれも散行く桜かな

     暦の上では秋を迎えたこの時季の趣を、俳人の与謝蕪村がこのように詠んでいます。桜の葉が、ほかの樹木に先んじて色づき散るようすを描写した句ですが、春の花がみごとに咲き、散っていく姿を重ねあわせると、与えられた生をひたむきに全うする桜木のありように胸を打たれます。

     

     ところで私たちは、ものごとにいっそう勤め、励むときなどに、努力とか精進という言葉を使います。そのためでしょうか、ひたむきな努力や精進と聞くと、骨の折れる、苦しいことに感じられます。信仰においても、「精進、精進、死ぬまで精進、生まれ変わったらまた精進」といった意気込みにふれると、思わず気圧される人もいそうです。 

     

     ただ、精進というのは、本来、気負って努めることでも、苦しみに耐えながら励むことでもないと思うのです。

     

     「精進」の「精」の字は、米を搗いて白く(精白)することで、そのことから、純一無雑、つまり、まじり気のない前向きな生き方をすることを精進といいます。また「精」の字には、「もと」とか「本来の力」という意味もありますから、私たちがよく口にする「精進しましょう」は、「まじり気のない自分本来の力を、まっすぐに発揮していこう」という意味と受けとることができるのです。 

     

     そう考えると、冒頭の句のような、桜の葉が紅葉し、散るといった自然の営みは、すべてが精進のありようを示すお手本といえます。そして私たちも、絶えず創造・変化する自然の一部ですから、「天地自然の理に随って生きるように」と勤めることが精進であり、「八正道」に示される「正精進」とは、そのことをいうのではないでしょうか。

     

    本 来 の 自 分 に 出 会 う

     

     ただ、樹木と違って、私たち人間には自分本位の我が出ることがあります。好き嫌いや善し悪しなど自分のものさしがあり、目の前の現象を率直に受けとれなくなるときがあります。そのとき、心を真理にそわせていく工夫をこらすことが「精進する」ということで、その工夫、つまり、ときに応じた精進のあり方を、釈尊はさまざまに説き示されています。

     

     たとえば、「信仰が私の播く種であり、鍛錬が雨である。/智慧が私の犂であり、恥じることが轅である。/心が縛る縄であり、内省が犂先と突棒である。/身と言葉を慎み、食を節して過食しない。/真実を守ることは私の草刈りである。/柔和は牛の軛を離す事である・・・・」という、拙著(『心田を耕す』)でもご紹介した詩偈のなかの、「恥じる」「内省する」「身と言葉を慎む」「過食しない」「真実を守る」「柔和」などの姿勢をとおして、ときどき顔をだす自分のわがままな心を反省したり、懺悔したりしながら本来の自分に帰るのです。ただし、やはりどれも気負って努めることではなく、むしろ自分もまわりの人も、ともに心楽しくなるような工夫ととらえてみてはどうでしょう。

     

     少し言葉を慎むだけで調和が生まれ、柔和に接することで相手の心がほぐれます。腹八分目で体が楽なのは、だれもみな体験していることでしょう。

     

     以前、まるでこの詩偈を写したかのような、「正精進の心で日々をすごす誓い」を機関誌で見たことがあります。「人の喜ぶことをしよう」「人に親しまれる自分になろう」「自分に恥じない行動をしよう」「人にはやさしく親切にしよう」「絶対に怒らない自分になろう」。このことを日々くり返し自分に言い聞かせ、ときには反省しながら仏道を歩む喜びを語っておられたのです。それは、精進をとおして本来の自分に出会う喜びだと思います。そして、この本来の自分とは、いうまでもなく仏性にほかなりません。

     

     



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