平成30年9月 会長先生法話

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    ※9月月1日朔日参り(布薩の日)式典にて大阪教会松本教会長より教団月刊誌「佼成」9月号『会長法話』から今月の信仰生活の指針を頂きます。

     

    会長法話    

     

    あらゆる「いのち」に奉仕する   

                          庭野日鑛 立正佼成会会長

     

    感 謝 し、仕 え る

     

     私たちは、生きていくために必要な衣食住のそれぞれを、随時、手に入れなければなりません。そのことについて、仏教では「正しい生活法によってそれを求めるように」と説かれています。「八正道」の五番めに掲げられる「正命」のことですが、一般の社会で暮らす私たちにあてはめると、「正しい仕事によって生計を立てる」ということになります。ただ、さまざまな仕事に対して、正しいとか正しくないなどの区別はつけ兼ねることです。すると、「正しい仕事」の「正しい」とはどういうことなのでしょうか。

     

     「農民は作物に仕え、牧場主は牛に仕え、教育者は子どもに仕える」といった言葉を教えていただいたことがあります。「仕事」は漢字で「事に仕える」と書きますが、仕えるというのは偉大な存在に随うことですから、仕事の対象となる相手や物を尊び、敬い、感謝の念をもって、与えられた役割りに一所懸命とりくむ―――そのような姿勢が、「正しい」の意味するところだと私は受けとめています。

     

     また、京都大学の総長を務められた平澤興先生は、「朝には、希望と張り合いをもって仕事をはじめ、夕には、その日の仕事を終わり、感謝をもって、緊張をときほぐし、静かに喜びながら、万物を拝む気持ちになることです」(『生きよう今日も喜んで』/致知出版社)といわれています。あらゆるものを拝む気持ち、感謝の念は、仕事はもちろん、私たちの生活すべてにわたる「正しい」生き方の根本だということでしょう。そして、その気持ちがあれば、不平や不満を抱くことなく、素直に、喜びをもって目の前のことに打ち込むことができるのです。

     

    正 し い 命 の 使 い 方

     

     仕事に限らず、日常生活で目の前のことに一生懸命に尽くすことが、「正しい命の使い方」ということもできそうです。家事や子育てはもちろん、人さまのお世話をすることや、あるいはお世話をしていただくことさえも、そのときその人に神仏から与えられた、いわば天命ともいえるお役ですから、それを素直に受けとめて、楽しくつとめることは、「正しい命の使い方」にほかなりません。

     

     「一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ」と、釈尊は願われました。私たちの手に余る大仕事に思えますが、けっしてそうとはいえません。あらゆる「いのち」が幸福になるための貢献が、私たちにもできるのです。私たち一人ひとりが、暮らしのなかの小さなひとコマもおろそかにしないで、「正しい命の使い方」につとめればいいのです。すると、それはやがて大きなうねりとなって、釈尊の願われる世界を築く力となります。なぜなら、私たちはみな、物心ともに世界じゅうのあらゆる「いのち」と、網の目のようにつながっているからです。

     

     ところで、「八正道」について考えるなかで、次のような一文を目にしました。「正見は実践の始まりであって、また終わりである。つねに正見から外れないようにしなければならない」(『原始仏教の生活倫理』中村元/春秋社)。

     

     私たちは「正見」「正思」「正語」「正行」、そして今月の「正命」の各徳目について、一つ一つそれができるかどうかにとらわれがちです。しかし、ものごとをありのままに見る「正見」がすべての基本で、慈雲尊者は「見処が正しくなければ、余事はみな暗闇だ」と断言しています。

     

     本会の脇祖・長沼妙佼先生は、信者さんの救いに徹するなか、「朝寝坊がいけない」などの厳しい指導をされました。仏さまの教えは基本を大事にしてこそ輝き、信仰とは日々の暮らしそのものだということを教えられたのでしょう。九月十日は、その脇祖さまの報恩会です。



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