平成30年7月 松本教会長のことば

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     松本教会長のことば

     

     梅雨の時期らしい天気が続いておりますが、みなさまお元気でお過ごしでしょうか。近畿地方も梅雨明け間近です。季節の変わり目ですので、お互いさま体調管理に気を付けてまいりましょう。

     

     今月は、会長先生より「八正道」の三番目にあたる「正語」に焦点を当て、「和らぎをもたらす言葉」というテーマでご法話を頂戴しました。

     

    「正語」とは真理にかなう言葉を語るということですが、「有益な言葉を語る」と受けとめることもできると教えていいただいています。有益な言葉とは「その場が和らぎ、調和・和合する言葉」ということですが、その調和や和合を乱す言葉の第一は「自分に都合のいい嘘をついたり、真実を偽って伝えたりすること」とお示し下さっています。このような言葉は、調和や和合を乱してしまいます。

     

     例えば、支部長さんが「Aさん最近顔を見ないけど、どうしたのかしら」と言った言葉を聞いて、地区の主任さんや組長さんがAさんの家へ手どりに行き、その本人に「支部長さんがあなたのこと、全く出て来ないけど何やってるんだと言っていたよ」と伝えればその人と支部長さんとの間の和合は乱れます。しかし「最近顔を見ていないからすごく心配してくださっていたよ」と話せば、支部長さんの慈悲心が伝わり和合は深まります。

     

     家庭の中においても母親から子へ「お父さんはいつもあなたのことを見ているよ、思っているよ」と伝えられれば、父子の間が、さらには家族の間が和らぎます。このように、その場にいる人であってもいない人であっても、仏性を信じ、礼拝し、その心の奥を汲みとって想いを伝えることができたなら、その人たちの関係が、そして私たちのすべての関係が和やかになり調和するのです。

     

     家庭やサンガの中でもついつい調和や和合を乱す言葉を使ってしまいがちな私たちですが、特にサンガの和合を乱す罪は大きいとお経にも説かれています。サンガは心が一つになればなるほど法が広まっていく力が強くなります。そのサンガの和合を乱すということは、法が広まる力を弱めてしまうことになるので、親を殺すのと同じくらいの大罪だと、釈尊も弟子たちに説いているのです。それだけサンガ内における言葉の過ちは罪が大きいということです。

     

     私たちが言葉を掛けられる立場として、「あの言い方は正語ではない」と人を責めてしまうことも時にはあるかと思いますが、よく聞かせていただく話に、「昔の幹部さんの指導は厳しかった」ということがあります。その厳しい言葉は正語ではなかったのかといえば、決してそうではありません。表面的には相手を否定する言葉であり、その場の調和を乱す言葉に聞こえるかもしれませんが、ご指導をいただく人が幹部さんの言葉の奥を「私を想って言ってくださっているのだ」と受けとめ、さらには「この幹部さんを通して仏さまが私の人生にとって一番大事なことを教えてくださっているのだ」と仏さまの智慧と慈悲を観じることができたら、それはまさに正語です。

     

     相手を仏さまの遣いと見て、その奥にある慈悲を観じとっていく、それが私たちの信仰だと思います。どんな言葉であってもそれに振り回されず「正語」にしていける深い信仰を持ちたいものです。

     

     また、会長先生は慈愛に満ちた沈黙によって伝わる「正語」もあるとして、良寛さんが放蕩三昧の甥を改心させた説諭をご紹介くださいました。言葉を発さなくとも伝わる「正語」ということですが、受けとめるほうは相手の表情や行動を通して「心配してくださっている」「私のことをここまで思ってくださっているのだ」などと言葉で受けとめているのではないでしょうか。物事が伝わるのはやはり言葉であり、だからこそ「正語」のところでこの説諭を教えて下さっているのだと思います。

     

     いずれにしても発する言葉、伝わる言葉はとても大事であるということです。「信」という漢字は「人」と「言」という字が組み合わさってできています。人との信頼関係や信用も、言葉によって築かれていくのです。会長先生は言葉をとても大事にされています。そのご人格から発せられる言葉は周りを和ませ、救い、調和させていく、まさに「正語」そのものであります。師をお手本として、少しでも近づけるよう精進させていただきたいと存じます。

     

     今月23日大阪教会は、日本三大祭の一つである天神祭に参加させていただき、立正佼成会として万灯行進を大阪天満宮の神さまに奉納いたします。全ての宗教を礼拝・讃歎された開祖さまのお徳のおかげさまで、このようなご縁に触れられる機会を頂戴したものと受け取らせていただいています。大阪のみならず全国・世界中のみなさまの幸せを祈願しながら、大歓喜の心で行進させていただきたいと存じます。 合掌

     



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