2019年2月 松本教会長のことば

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    2月 松本教会長のことば
     
     皆さん、こんにちは。
    今年もあっという間に一か月が過ぎました。大阪教会では1月20日朝6時より「寒中読誦修行」が行われ、お陰さまで7日間の日程を無事に終えることができました。寒い日が続くこの時期、お互いさま日ごろの体調管理には十分に気をつけて参りたいものです。また、今年は大阪教会発足55周年の記念すべき年でもあります。55周年にちなみ「Let’s Go!Go!」の勢いで布教に励ませていただきたく存じます。
     
     さて、今月は会長先生から「人を思いやる『心の習慣』」というテーマでご法話を頂戴しました。「習慣」を別の言葉で言い表すとしたら、「クセ」とも言えるでしょう。私たち凡夫はつい損得勘定で物事を見、判断してしまうことが多いのではないでしょうか。例えば、電車やバスで席を譲ろうとした時、相手から「そんなに年寄りじゃない」と怒られたら「損だな」「得にはならないな」と思い、ためらった経験を持つ人もおられるでしょう。
     
     会長先生が教えてくださっているように、私たちはふだん損得勘定で得にならないことには消極的になりがちです。それは布教に対しても同じで、困っていたり悩んでいる人がいて、仏縁にふれていただきたいと思っても、「宗教の話は聞きたくない」とか「大きなお世話」などと言われたらイヤだなと考えてしてしまい、尻込みして結局声を掛けられないということにも通じると思うのです。

     会長先生は、損得の「得」は「徳」に通じ、一文の得にならないと思われることであっても、人さまを思うがゆえの実践は、それを行う人の徳分として、人間的な成長など尊い心の財産になると教えてくださっています。そして、「現実的な功徳を得たい」「人として成長したい」と願う欲得から始めた菩薩行でも、人間性の向上という「徳」を招き寄せるという意味で「得」は「徳」に通じるとお示しくださっているのです。

     ただ、そのことがわかっていても実際に行動に移す勇気はなかなか出ないものです。そこで「目の前の人を憐れみ、思いやりの心を奮い立たせて『苦しみから救い出そう』と決心しなさい」そのためには「自分本位のとらわれや執着を離れて、ものごとの真実を見極めるよう精進することが大切」と説かれている説法品の一節から、なかなか損得勘定を捨てられない私たちでも、精進によって欲得ずくの心を超えることができ、それが心の習慣になれば、どのようなときでも、人を思いやる気持ちを自然に行動にあらわせる、と教えてくださっているのです。

     さらに、「雪が降ったら/寒かろう/冷たかろうと/お墓に/傘をさしに行く/幼子亡くした/お母さん」という詩の一節をご紹介下さり、この母親のように「自分と相手(わが子)とを一つと見る一体感」「すべてを一つと見る究極の一体感=仏さまとの一体感」を持つことができれば、わきあがる憐れみの心や慈悲の心に突き動かされて、思いやりを行動に移せるようになると教えてくださいました。この「仏さまとの一体感」は佼成会の教えである「一乗の教え」の核心とも言えましょう。
     
     今月はご法話と通して「欲得から始まる菩薩行」から「思いやりの心を奮い立たせて精進する菩薩行」に、そして「相手との自他一体感をもって、わきあがる慈悲心に突き動かされてなす菩薩行」「仏さまとの一体感をもって自由自在に、さらには菩薩行をしているという意識すらも超えた菩薩行」へという菩薩行の成長段階をわかりやすく具体的にお示しくださいました。

     これも、菩薩行実践の繰り返しによって向上していく段階であり、この段階を上がることで真の思いやりが心の習慣になっていくということでもありましょう。菩薩としての心境が少しでも成長できるよう「精進、精進、死ぬまで精進、生まれ変わってまた精進」の心意気でお互いさま修行させていただきたいと存じます。

     また、ご法話の最後の方に以前会長先生が生誕地に訪れた際、開祖さまの胸像が雨に濡れているのをご覧になり、傘を差しかけた覚えがあると述べられていますが、私はこのお言葉から、会長先生は開祖さまと一つになられて、私たちにご指導を下さっている、私たち会員を導いて下さっているのだと深く感動致しました。
     
     今月は涅槃会を迎えます。お釈迦さまが永遠のいのちとなられて常住此説法してくださっていることを確認する日とも言えます。私たちもその仏さまとの一体感が少しでも実感できますよう、布教伝道に精進させていただきましょう。 合掌

     
     

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